通信制高校の卒業は難しい?高卒認定との違いは?
2016/03/05
通信制高校の卒業と全日制高校の卒業は違う?
「通信制高校の卒業と全日制高校の卒業は何か変わるの?」
このような疑問をお持ちの方がよくいらっしゃいますが、通信制高校を卒業しても全日制と何も変わらない高卒認定資格を取得することができます。
また、高卒認定試験に合格しても同じ資格が取得できると思われがちですが、実際は別物です。
高卒認定試験に合格して得ることができるのは「大学・短大などへの受験資格」であり、進学しなければ最終学歴は「中卒」になってしまいます。
一方、通信制高校を卒業すれば正真正銘の「高卒」資格が取得できるのです。
人前で堂々と高卒です!と言えますし、何も恥じることはないでしょう。
単純な難易度だけでいえば、通信制高校>高卒認定試験>定時制高校>全日制高校という具合になりますので、とにかく高卒資格が欲しい!という方に通信制はうってつけです。
→通信制高校・サポート校・定時制高校の違い 卒業と進学の現状
通信制高校を卒業する条件とは
通信制高校を卒業するためには、次の3つの条件を達成する必要があります。
なお、これは通信制高校の主流である「単位制」での卒業条件です。
3年間在籍(前籍校の在籍年数を引き継ぐことも可能)
文部科学省の定める必修科目を履修し、74単位以上を取得(前籍校で取得した単位を引き継ぐことも可能)
年で10時間以上の特別活動に参加
単位の修得
単位は、一年を通して授業やレポートをこなしたり、試験を受けることで修得することができます。
単位の履修条件については学校によって異なり、こと登校システムに関しては大きな違いがあります。
登校数が少なく年に5回~10回という学校がある一方、全日制高校のように週5回の登校コースが用意されている学校もあるのです。
登校数が少なくてすむように、レポート課題や試験に関しても全日制高校より易しめの設定になっています。
レポート課題とは
通信制高校における学習の軸。
登校日数が少なくてすむ代わりに、このレポート課題で補う必要がある。
穴埋めや選択式の問題が並び、指定された教科書の範囲から答えを探しだすのが一般的。
郵送で提出するのが普通だったが、最近ではインターネットを活用して提出できる学校も増えている。
特に私立の通信制高校では、試験の前に模範解答のような対策プリントが配られたり、レポート課題にほぼ答えのようなヒントが記されていたりなど、卒業をサポートする取り組みがとても強いです。
→通信制高校の勉強時間と勉強レベル 公立は難しいってほんと?
必修科目
必修科目は以下の通りです。
国語総合、(世界史A・世界史B)、(日本史A・日本史B・地理B)、現代社会、(倫理・政治経済)、数学1、(科学と人間生活・物理基礎・科学基礎・生物基礎・地学基礎)のうち2科目、保健、体育1、体育2、体育3、(音楽1・美術1・書道1)、コミュニケーション英語1、家庭総合、(社会と情報・情報の科学)、総合学習
※()内はどれか一つの選択になります
国語総合4単位、世界史A2単位、化学基礎3単位など、履修する科目によって単位数が決まっています。
レポート数に関する規定はなく、学校によって異なります。
私が通うNHK学園では、年で国語総合が12本、数学1が9本、物理基礎が9本、世界史Aが6本、保健が6本という具合です。
特別活動
全日制高校では問題にあがらない特別活動ですが、通信制では卒業のネックになりえます。
そもそも特別活動とは何かというと、ホームルームや修学旅行、遠足といった授業外の活動のことです。
全日制なら毎日ホームルームがありますから年で10時間に満たないわけがないのですが、登校が非常に少ないコースの通信制では少し気を付けなければならなくなってきます。
学校によってちょっとした遠足や文化祭等のイベントを用意したり、インターネットを活用して交流の場を作ったりと様々です。
しかし、特別活動が足りずに卒業できないという事例はまずなく、心配するほどのことではないといえるでしょう。
通信制高校の卒業率 私立と公立の違い
※文部科学省 「通信制高校に学ぶ生徒の現状と課題」参考
このグラフは、私立と公立それぞれの通信制高校の卒業率を表しています。
公立が50%程度なのに比べ、私立は90%と卒業率に大きく差があることがわかりますね。
ここまで差がつくのは上記で少し述べた通り、学校のサポートの差が私立と公立で大きく違うことが原因です。
※文部科学省 「通信制高校に学ぶ生徒の現状と課題」参考
こちらはおおよその中退率です。
中退で減った分がそのまま卒業率に影響していることがわかります。
大学進学率、就職率に関してはこちらの記事をご覧ください。