ぶっちゃけ!通信制高校

通信制高校における大学進学の現状 推薦入試への影響は?

      2016/03/25

あまり大学進学に強いイメージはない通信制高校ですが、どの程度大学受験のサポートをしてくれるのでしょうか?

また、現実的に見て大学進学を進路に据えることはできるのでしょうか?

通信制高校への入学前に知っておきたい情報をまとめました。

統計データと受験サポートの実態から、通信制高校の大学進学事情を探ります。

通信制高校から大学進学は可能なのか

統計で見る大学進学

私立・公立における卒業生の進路の違い

卒業後の進路

このグラフは通信制高校全体(私立と公立)の、卒業生の進路を表しています。

職業訓練を重視する専修学校と大学、進学率は合わせて41%程度です。

20年代前半から進学率は上昇傾向にあるのですが、それには私立通信制に通う生徒が増加していることが影響しています。

 

それでは、次に私立と公立の卒業生の進路を比較してみましょう。

 

 

公立通信制高校生の進路

私立通信制高校の進路

公立通信制の「大学と専修学校を合わせた進学率」が24%なのに対し、私立は45%と大きく差があることがわかります。

就職率に関してはあまり差がありませんが、引きこもりやニートになるなどの「それ以外」の項目にも違いが見られ、大学進学した生徒の分、「それ以外」の進路を選ぶ生徒が減っていると言っていいでしょう。

私立通信制の大学進学に関するサポートの強さと面倒見の良さが見て取れます。

45%という統計は、十分に大学進学は可能と言える数字です。

 

全入学者の進学率

上のグラフは通信制を卒業した生徒の進路を表したものであり、退学などして卒業できなかった生徒は含まれていません。

ですから、次は入学した生徒の中で何%が進学できるのか見てみましょう。

公立通信制高校における全入学者の進路

私立 全入学者の進路

私立通信制の中退率が約10%なのに対し、公立が50%にも上ります。

その影響は大きく、この中退者を含めた卒業率の統計によれば、公立の通信制高校では進学率が12%という結果になってしまっています。

一方私立は40%の進学率を残しており、差は歴然です。

データから見れば、進学を希望して通信制に入学する場合、私立の学校を選択するのが賢明だと言えるでしょう。

 

私立通信制高校における大学進学サポートの実態

私立と公立の進学率の違い

上の統計データを見ていただけたでしょうか。

同じ通信制高校でも公立と私立の進学率に大きく違いがある、という現状があります。

私立の卒業率90%、大学及び専修学校への進学率は40%という高い数字には、意外だと思う方も多いのではないでしょうか。

そこで、私立の通信制高校が進学のためにどんなサポートをしているのか、実態をご紹介致します。

 

私はこの記事を執筆している現在、私立通信制高校であるNHK学園の現役2年次生です。

実は私は大学へ進学する気はないのですが、NHK学園の進学サポートがどの程度存在するのか調べてみました。

大学・短大入試の説明会

センター試験講座

小論文の書き方講座

学園通信等によるコラムの掲載

進路相談室

 

サポート① 大学・短大入試の説明会

入試説明会

こちらの説明会は夏休みに三年次生を対象にして開かれたようです。

上のスクリーンショットのように、特設サイトで録画を見ることができました。

動画はPart4まであり、勉強のテクニックというよりは、入試に関する知識を説明する内容になっています。

学校の選び方、出願方法を始め、AO入試などの推薦入試に関する説明や、奨学金制度に関することまで詳しく解説されていました。

 

また、こちらの説明会はNHK学園の教師によるものではなく、入試を専門とする株式会社「マイナビ」によって行われたもののようです。

NHK学園が「マイナビ」に依頼して行ってもらっているようですね。

 

サポート② センター試験講座

center

センター試験の概要を説明する講座も開かれていました。

1月8日に特設サイトに公開されており、こちらはNHK学園の先生方がお話をされています。

日程から問題形式に関する解説まで丁寧な説明が続き、総時間は15分ほどです。

ちなみに、これらの講座視聴は生徒の義務ではなく、あくまで希望者のみが見るようなシステムになっています。

 

サポート③ 小論文の書き方講座

小論文書き方講座

小論文の取り組み方を解説する講座も開かれていました。

5月ごろに毎年開かれるようでして、私も聞いてみたところ、3回に分けてしっかりとわかりやすく説明されています。

小論文の書き方のコツとして、枠組みに当てはめるということを講師の先生が強調されていました。

通信制高校は推薦やAO入試を狙う生徒も多く、必要な小論文の指導に学校側は力を入れているようです。

 

サポート④ 学園通信(隔月)に特集を掲載

2016-02-05 18.47.32毎月郵送される学園通信に、進路に関するコラムが掲載されています。

写真のようにオープンキャンパスなどの大学進学に関係する行事について書かれていることや、勉強の進め方などが書かれていることもあります。

「学校からの説明を鵜呑みにするな!」「自分の足で行き、自分の足で見て、自分の耳で聞くべし」

なかなか参考になりますね。

 

また、大学進学に関するさらに詳しい情報が、入学時に配られる「進路のしおり」に掲載されています。

それでもわからなければ、専任の先生へメールや電話で聞くことも可能です。

進学に関する知識で困ることはありません。

 

サポート⑤ 進路相談室

学校内に進路相談室が用意されています。

室内では進学に関する資料を閲覧することができたり、担当の教員に相談や質問をすることができるようです。

AO入試や推薦入試に関する相談にも応じてくれ、生徒と親身になって相談してくれると、良い評判を聞きます。

 

以上がおおよそのNHK学園の進学サポートでした。

もちろん学校によってサポートは変わると思いますので、私立通信制高校の一つの参考としてお考えください。

 

一般入試・推薦入試の現状

一般入試

独学で大学合格は無理

通信制高校から独学で大学の一般入試に合格できる?

この問に対する私の答えはNOです。

公立だけでなく、私立の通信制高校からでも独学で大学の一般入試に合格するのは、現実的ではないと感じています。

これは、私が通うNHK学園での学習状況を踏まえての見解です。

進学校に通って高いレベルの集団内で競い合う同級生や、塾や予備校に通ってプロの指導を受ける同級生と張り合うのは無謀といってもよいでしょう。

 

しかし、これはあくまで独学での話であり、塾やサポート校、予備校を利用することで充分にカバーできるはずです。

通信制高校・サポート校・定時制高校の違い 卒業と進学の現状

これは一つの例ですが、「トライ式高等学校」という通信制高校では、大学受験を専門とするサポート校と連携しており、プロの指導を受けることが可能になっています。

この学校は特殊なシステムで、入学と同時にサポート校へも必ず入らなければなりません。

入学すると個人個人に合った本格的な学習カリキュラムが組まれ、本気で大学受験を志す生活が始まります。

 

このように大学受験専門のサポート校へ入学する、塾や予備校へ通うなどして見事に大学受験を乗り越える通信制高校の生徒はたくさんいます。

上で述べましたが、私立通信制高校の進学率は約40%です。

通信制高校から一般入試での大学進学は十分に可能といえるでしょう。

NHK学園の進学状況

こちらはおまけです。

学園通信に載っていましたので参考としてご覧ください。

NHK学園進学状況

4年制大学:東北(国)、埼玉(国)、静岡(国)、名古屋(国)、京都(国)、高知(国)、鹿児島(国)、防衛医科大学校(国)、防衛大学校(国)、早稲田、國學院、獨協、学習院、創価、専修、大東文化、拓殖、中央、帝京、明治、青山学院、法政など

専門学校:札幌デザイナー、国際文化理容美容、板橋中央看護、大原簿記法律、東京保育、東京IT会計、日本外国語、日本電子、東京医薬、文化服装、西東京調理師など

短期大学:弘前医療福祉大学短大部、昭和学院短大、青山学院女子短大、帝京短大、岐阜保険短大、桜の聖母短大、東京交通短大、仙台青葉短大など

 

推薦入試・AO入試

推薦入試の面接

通信制高校卒業では推薦での評価が下がるのでは?

そんなことはありません。

大学側が推薦入試で欲しがっているのは、大学でやりたいことが定まっていて学校のポリシーに合う人物です。

活き活きとした活力ある生徒を欲しているのですから、全日制と通信制で差別するはずもありません

むしろ、通信制高校は推薦入試の指導に力を入れていることが多いので、得意分野ともいえるでしょう。

その理由として、少し言い方が悪いですが、学力が志望大学の合格ラインに達しない生徒が推薦に力を注ぐケースが多いことにあります。

そんな生徒らを長年指導した経験をもつ通信制高校の教師陣は、推薦入試に関する指導法を知り尽くしているのです。

 

また、学校で指定校推薦を受けられるケースも少なくありません。

推薦入試に関する知識を整理しますと、面接・小論文プラス学科試験が必要な一般的な公募制推薦、人物像や志望動機が深く問われるAO入試、そして学校によって推薦枠数が決まっている指定校推薦が存在します。

通信制高校にも指定校推薦枠が用意されていることがあり、それを利用できればお得ですよね。

推薦枠は学校によってかなりの違いがありますが、ここではNHK学園のもつ推薦枠を参考としてご覧ください。

NHK学園の27年度指定校推薦枠

立教大学、帝京大学、多摩大学、武蔵野大学、二松学舎大学、東京成徳大学、日本経済大学、山梨学院大学、中京学院大学、日本福祉大学、大阪学院大学、兵庫大学、東亜大学、日本文理大学など

また、専門・短大は別に多数

※推薦条件

●私立4大は3.0以上、他は2.7以上の評定基準を満たす者

●順調に学習が継続している者

●特別活動やホームルーム等にしっかり参加しているもの

など

 

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