通信制高校の就職事情 面接で不利にならないの?
2016/03/25
大学を卒業しても就職が厳しいこのご時世で、通信制高校卒業者の立場はどうなっているのでしょうか?
これらを認識せずに入学することは、賢いとは言えません。
将来の可能性をしっかり認識するために、通信制高校卒業生の就職の実情をご覧ください。
統計データに加え、通信制高校で行われる就職サポートについてもご紹介します。
目次
通信制高校は就職に不利?
「普通」の高卒と差別される?
「同じ高卒でも、通信制高校卒業では全日制高校卒業より面接で評価が下がるんじゃない?」
確かに、可能性は0ではありません。
就職先によっては、通信制卒業という経歴をいやみ嫌って差別するところもあるでしょう。
特にこの傾向は歴史が長い、言ってしまえば時代遅れな企業ほど強く、全ての就職先に快く受け入れられるということは期待できなさそうです。
しかし、必ずしも就職が不利になるわけではありません。
逆に、通信制高校という経歴を好ましく感じてくれている企業もあるのです。
その理由として、通信制の生徒にはアルバイトをしている人が多く、労働の経験と能力が全日制の生徒より高いことが挙げられます。
通信制高校を卒業してすぐ就職しようと考えるなら、学生時代に実務経験を積んでおくと良いかもしれません。
日本ではほんの数年前まで、全日制の高校に通うことが当たり前でした。
しかし、現代ではその風潮が崩れ始めており、私達のように通信制等での学習スタイルを選ぶ若者が増加しています。
それに伴って企業側の採用基準も変化し、10年前のように「通信制卒業だから」という理由だけで落とすようなところも減ってきているのです。
前述したように、全日制高校卒業と区別するような風潮も少しはありますが、時代は変わりつつあります。
大学卒業後に通信制高校の経歴が傷になる?
「進学して大学を卒業しても、通信制高校に通っていた経歴が就職の面接で不利になりそう」
それはありません。
大学を卒業しているのに高校の経歴を気にする人がどこにいましょうか。
また、上で述べたように「通信制高校卒業」という経歴は既に一般的なものです。
超少数派だった昔とは時代が違います。
何も気にすることはありません。
大学進学の実状に関してはこちらのページをご覧ください。
通信制高校における就職の実態
通信制高校からの就職について、より具体的にご紹介します。
まずは進路の統計データからご覧ください。
就職に関するデータ
25年度における通信制高校の卒業生の就職率は全体の15%です。
私立と公立にはあまり差がなく、グラフにはありませんが、私立が15%、公立が17%になっています。
また、中退者を含めた全入学者の就職率は12%程度になります。
進学率はここ数年で増加してしますが、就職率は横這いです。
進学率が上昇傾向にある分、この先就職率は下がっていくのではないかと予想されます。
就職サポートの実状
統計データからわかるように、卒業生の一定数は就職という進路を選択しています。
15%という就職率は、就職するための指導がある程度行われていないと出ない数字です。
就職するために、通信制高校ではどんなサポートと指導を受けることができるのでしょうか?
私は現在私立通信制高校NHK学園の2年次生として在籍しています。
私自身就職のサポートを受けた経験はないですが、在籍しているだけで入ってくる情報をもとに、私立通信制の就職サポートの現状をご紹介したいと思います。
教師陣による進路相談
就職ガイダンス
社会人としてのマナー講座
教師陣による進路相談・手続きサポート
NHK学園には進路相談室という特設施設が校舎内に用意されており、平日ならいつでも専任の先生と進路に関する相談をすることができます。
7月以降になればハローワークの公開求人票を閲覧することもできるので、就職希望生徒の御用達になっています。
また、生徒用の特設Webサイトから担任の先生へメールで相談することも可能です。
就職の希望先を決めることができれば、面倒な書類に関する手続きは学校と会社間で行ってくれます。
生徒は面接を受けるなどの採用試験を受けるだけ、というところまでサポートしてくれるでしょう。
しかし、これは20歳未満の高卒求人の場合だけであり、20歳以上で卒業した方は、近所のハローワークに行って中途採用の求人票で求職する必要がありそうです。
就職ガイダンス
毎年7月、ハローワークの講師を呼んで三年次生を対象としたガイダンスが開かれます。
特設サイトに録画が用意されており、2年次生の私も視聴することができました。
1時間ほどのガイダンスになっており、過去の例を踏まえて、どんなことに気を付けて就職に臨めばよいのかお話されています。
企業側がどんな人材を求めているかであったり、基本的な知識であったりといったことを解説する内容です。
社会人としてのマナー講座
スーツの着こなし方から話し方、姿勢や話す内容まで、丁寧に社会人のマナーを解説する講座も開かれていました。
第一印象の大切さ、面接官がどういうところを見ているか、といった具体的で実用的な内容です。
社会への不安をもつ人が多いなかで、このような講座を開いてもらえるのはとても嬉しいですね。
短大・専修学校という選択肢
進学や就職など、卒業後の目標が明確に決まっている生徒がいるなかで、進路に悩む方もたくさんいます。
通信制高校は、そんな方に短大・専修学校を勧めることが多いようです。
どちらも、専門的な知識を学び、職業で用いる実践的な能力を育成することを目的にした教育機関です。
短大・専修学校で専門分野の技術を習得し、将来職に困らないようなスペシャリストを目指すことができます。
通常は一般入試で受験することになりますが、学校によっては指定校推薦枠があることも珍しくないようですので、入学前に必ずチェックしておきましょう。
一つの参考として、私が通うNHK学園にも短大・専修学校の指定校推薦枠がたくさんあります。
NHK学園の短大・専修学校指定校推薦枠
拓殖大学北海道短期大学、浦和大学短期大学部、東京経営短期大学、山野美容芸術短期大学、帝京大学短期大学、日本美術専門学校、西部調理師専門学校、東京医療福祉専門学校など
書き切れませんが、100以上の指定校推薦枠がありました。
推薦条件もそう難しいものではありません。