私が全日制高校を退学して通信制高校へ入学するまでの体験談
2016/04/23
私はこの文章を書いている現在(2016年2月13日)、私立通信制高校であるNHK学園高等学校に2年次生として在籍しています。
転学してきたのは去年の8月。(7月だったかな?)
もう半年以上経っているのですから、時の流れは早いものです。
前籍の学校は都内の某全日制高校。
中高一貫校であり、中学で入学してから4年間通っていたのですが、残り2年を残してギブアップすることになりました。
退学を決心してから通信制に入学するまで、様々な波乱と手続きに満ちた体験談をお届けします。
また、詳しい転入・編入に関する知識については個別ページをご覧ください。
目次
全日制高校の退学を決意
「もう限界だ…」
あの頃の私の心情はこの一言に尽きました。
勉強に全くついていけない!ということもなかったですが、将来に希望がなく、日々の満員電車で精神を削られ、という生活を4年続けてきたことで、メンタルが限界に達しようとしていたのです。
何を隠そう、私が通っていたのは全員が全員大学進学を目指す進学校であり、大学受験に向けて周囲の雰囲気が変わってきたということも要因として少なからずありました。
私は「大学へ進学をして就職をする」という所謂「当たり前の人生」が嫌で嫌で、そんな毎日がつまらない人生を送るなら死んだ方がましだ、と常日頃から思っています。
そのようなことを誰かに言って、馬鹿にされたり諭されたりした経験をもっているのは私だけではないでしょう。
当時、周囲からは「みんなやってるんだから」と諭されましたが、そんな荒唐無稽な説得では一片たりとも納得できませんでした。
日に日に気分は落ち込んでいき、「死」という選択肢も現実味を帯びてきます。
学校も1週間に一度は休んでいました。
ある時、ついに学校を4日連続で休みました。
毎日涙が頬をたどりながら眠りにつき、朝起きては絶望する日々でしたが、救いだったのは両親が理解を示してくれたことです。
毎日毎日暗い顔をしている私に、両親はこんな提案をしてくれました。
「もう転校する? 通信制高校なら楽らしいよ」
通信制高校の存在は知っていましたが、詳しいことはさっぱりわかりません。
まぁせっかく提案してくれたのだから、と適当に検索して調べてみることにします。
調べてみて、私は少なからず驚きました。
私には想像もできなかった様な多種多様な勉強・登校のシステムが存在することを目の当たりにしたからです。
そのなかで特に気になったのがNHK学園のシステムでした。
インターネットを活用した勉強システムと、年に5日まで減らせるという登校システムが魅力的に感じたことを憶えています。
何日か調べていたのですが、今思えばそんな日々のなかで転校するという決意が徐々に固まっていったのでしょう。
情報収集
NHK学園が気になってはいましたが、比較するために10校ほどの資料を集めることにしました。
なるには進学サイトなどのWebサイトから、まとめて請求することができることに気づきます。
請求するだけなら無料ですから、もう手あたり次第です。
3、4日して資料が届いたので、一校一校の特徴をじっくりと調べます。
資料だけでなく、ネット上のサイトや某匿名掲示板も見て回って調べに調べました。
登校日数、レポートのシステム、卒業のしやすさ、大学進学、評判、口コミ、それに学費…
調べることはたくさんあります。
丸2日以上、情報収集と比較に時間を使ったのではないでしょうか。
比較した結果、決まりました。
私が下した判断は、当初から気になっていたNHK学園がやはり一番自分に合っているというものです。
そうと決まれば、行動に移さなくてはいけません。
まず両親に報告し、その学校の特徴と学費などを正確に伝えます。
もともと転校は両親が言いだしてくれたことでしたから、比較的簡単にOKの返事を貰うことができました。
退学と入学の手続き
学校へ退学の意志を伝える
面倒なのは、在籍している学校へ辞める意志を伝え、必要な書類を用意してもらうという手続きです。
丁度その頃、連続して欠席している私に担任の先生から頻繁に電話がかかってきていました。(無視していました)
辞めるという決断をした次の日、同じように担任から電話がかかってきます。
ここが正念場、辞める意志を伝えるには絶好の機会です。
私は恐る恐る受話器をとり、電話に対応しました。
担任の先生は私が電話に出たことで驚いたようでしたが、簡単な挨拶の後、学校に来ない理由などを訊ねてきます。
私は本音とは言えない答えを返し、やや強引に本題を切り出しました。
「実は、学校を辞めようかと思ってるんです」
先生はまたしても驚いたようでしたが、想定外という訳ではないようです。
私のような生徒が学校を辞めるのは、珍しいことではないのでしょう。
返ってきた返答を要約すれば「気持ちはわかったから一度面談をしよう」というものでした。
退学の手続きは長くなりそうですね。
電話の中で面談の日時と場所を決め、受話器を置きます。
数分の電話でここまで疲れたことはありません。
そして、担任との面談の日までは憂鬱な気分が続くでしょう。
早くその日が来てほしいような、来てほしくないような、そんな気分です。
担任との面談
いざ、面談当日を迎えます。
気分は最悪ですが、行くしかありません。
待ち合わせの巣鴨駅へ到着すると、既に担任の姿が見えました。
軽く挨拶をし、話ができるような喫茶店へ向かいます。
道中はお互いに牽制し合うような雰囲気がヒリヒリと漂います。
完全にバトルです。
思い出すだけでナーバスになってきました。
喫茶店に入り、担任が話を切り出します。
「学校を辞めたいということだけど、その原因は何なの?」
話を書き出すと長くなってしまうので割愛しますが、やり取りはそこまで過激なものではありませんでした。
私が思っていたより担任は柔軟な考え方をしてくれ、私に譲歩してくれたからです。
そんなこんなで一通り話し合い、通信制へ転入することを了承してもらえる流れになりました。
この時点まで私は学校を退学する必要があると思っていたのですが、転入という形で移ることができるということです。
最後に担任は書類を取り出し、それを私に手渡します。
私の一年次の成績と修得した単位を証明する書類でした。
先生は最初から私の転入を許可してくださるつもりだったのですね、ありがとうございます。
転入の手続きを進める
無事に面談を終え、単位の引き継ぎに必要な書類も手に入れることができました。
残りの必要書類もガンガン揃えていきましょう。
まずは願書ですが、これに関しては資料請求の際に手に入れることができていたので問題ありません。
住所や転学を希望する理由などを書く欄があり、誤字などが無いように注意して書いていきます。
次に必要なのが、健康診断書というものでした。
これも資料請求時に一緒に郵送されてきており、後は健康診断を受けて医者に記入してもらうだけです。
健康診断について調べると、内科ならほとんどのところでいつでも受けられるということだったので、最寄りの内科へその日のうちに行ってみました。
何も問題なく健康診断をしてもらうことができ、異常も特にありません。
これで必要書類を揃えることができました。
書類に不備がないかチェックしてから、簡易書留で郵送します。
郵送してから3日後、NHK学園から書類が届きました。
入学のために必要な面接の日時と場所が書かれている書類です。
「面接はNHK学園本校で行います。○月○日、NHK学園本校の○○教室までお越しください。」
通信制高校の面接 想定外のハプニング
面接日当日。
面接ではどんなことを聞かれるのかな、と心配しながら指定の駅へ向かいます。
時間には充分余裕があり、NHK学園の最寄り駅である国立駅へも余裕をもって到着することができました。
地図を見直し、学校までのルートを確認してから歩き出します。
2,30分歩き、それらしき建物が見えてきました。
どうやら無事到着したようです。
指定の時刻まであと15分ありました。
完璧です。
自動ドアを開けて入り、休憩スペースでNHK学園から届いていた書類を見直します。
「○月○日に『家庭科室』までお越しください」
なるほどなるほど。
まだ時間はありますが、校内の地図で教室を探し、教室がある階へ足を運びます。
その階には、親切にも「入学のための面接はこちらです→」というような標識がいくつか立っていました。
「書類を見直す必要もなかったな…」なんて思いながら標識を辿ります。
辿っていると、ある教室の前にたどり着きました。
『被服室』とあります。
私は「おお着いた着いた」なんて思いつつ、やや緊張しながら「失礼します」と教室へ入ったのでした。
教室の中には誰もいません。
「まだ時間もあるし当たり前か…」と思い、緊張しながら担当者を待ちます。
5分、10分、15分、、指定の時刻を過ぎても誰も来ません。
「おかしい」
ここでようやく私は違和感を覚えました。
嫌な予感を感じながら廊下に出てみると、なんてことでしょう、向かい側に『家庭科室』があったのです。
「やばい」しか頭の中に浮かびませんでした。
なんと、私は「家庭科室」と「被服室」を間違えていたのです。
急いで教室へ入ると、担当の先生の姿が見えます。
「申し訳ありません!部屋を間違えてしまっていました!!」
もう謝るしかありませんよね。
私は全力で頭を下げながら登場し、恐る恐る担当の先生に目を向けます。
「あ、そうだったの?確かにあの標識わかりづらかったねー」
あれ?意外に大丈夫そう…?
怒ったり失望したりしている様子ではありません。
「じゃあ面接始めようか」
部屋を間違えたショックが覚めやらぬなか、面接が始まります。
「あなたのフルネームを教えてください」最初はこんな質問です。
「なめるな」と心の中で思いつつ、私はフルネームを丁寧に伝えます。
担当の先生は何やらメモしながら、次の質問を発します。
「入学を希望する理由を教えてください」
私の答えは「インターネットを活用するなど自由に学習ができるシステムに魅力を感じました」という具合の無難なものです。
そして、「バイトはしていますか?」「普段どんなことをして過ごしていますか?」「前の学校では部活動などしていましたか?」などの質問が続き、私は本音で回答し続けました。
10分もかからずに質問は終わり、担当の先生はごそごそと書類を取り出します。
履修する科目を決めるための書類でした。
この書類を面接で出すということは、落ちることは想定されていないということでしょう。
遅刻した私はこの事実にほっとし、先生の話を聞いていたのでした。
必修科目は必ず選択しなくてはいけないこと、3年で74単位を修得する必要があること、私は全日制高校で既に36単位修得済であること、などの説明がなされます。
そして、2年次で修得する必要がある19単位分の履修する科目を今決めろと言うのです。
私は必修科目とできるだけ楽そうな科目を選択し、先生に書類を返します。
どうやら、面接はこれで終わりのようです。
落ちることはまずないだろうと感じていましたが、まだ若干の不安が残っています。
いそいそと帰宅し、何日かNHK学園から書類が届くのを待っていました。
無事合格 NHK学園に入学
「ああ、よかった!」
NHK学園から届いた書類を開けると、合格通知書が入っていました。
遅刻しても合格するとは、何をすると不合格になるのか気になりますね。
何にせよ私は一安心です。
面接で決めた履修科目を確認する書類も同封されていました。
特に間違いもなかったので、指示通りNHK学園へ送り返します。
そして、親に合格を伝え、学費の支払いをしてもらえるようにお願いしたのでした。
しばらくすると、教材なども届き、入学&学習スタートです。
希望と活力に満ちた通信制高校での生活が始まります。
試験やスクーリングなどの通信制高校での体験談は、それぞれの個別ページで掲載しています。