「高校をやめたい」という悩みをお持ちの方へ
「クラスメイトにいじめられている」
「急に友達に無視され始めた」
「将来に希望が無い」
「グループ内でハブられている」
「部活内で暴力被害に遭っている」
このページを見て下さっている方は、誰にも完全には理解することができない深い悩みを抱えていらっしゃるのでしょう。
私から言えるようなことは何もないのかもしれませんが、先に高校をやめた人間としてほんの少しだけアドバイスをさせてください。
目次
後悔しない選択をするために
「高校をやめたい」そう感じている方には、思い切って学校を1,2週間休んでみることをおすすめします。
既に不登校になり、言われずとも休んでいる方もいるかと思いますが、そういう方は旅行へ行ったりスポーツをしたりなど、自分が安らげる時間を作ってみてはどうでしょう。
「ストレスや焦りでパニック状態になり、考えがまとまっていないのに勢いで学校をやめてしまう」
これが一番良くないパターンです。
ですから、まずやるべきことは自分の現状を正確に認識し、本当にやめるべきなのか考えるということ。
現状を確認し、今自分がすべき選択を考える時間、これを確保するために一度長期間の休みが必要だと感じているのです。
休むことに躊躇する方もいるでしょう。
「一回休んだらズルズルやめちゃいそう」「友達にいじめられそう」「先生や親に怒られそう」
そう、日本の社会は休むことを善しとしません。
理由は「他の人が休まない」から。
日本社会では常に周囲の人間に協調することを要求され、できないものは疎外されます。
一度レールから外れればそれまで。
一度外れたレールに乗りなおすことは容易ではありません。
「一度外れたら戻れない」この事実が過剰なまでに日本人を縛っているのです。
そんな状況に置かれている日本人は本当に今のままで良いのか考えることもせず、ただただ周囲に合わせ続けます。
そして、協調性に欠ける行動は嫌悪と軽蔑の対象になるのです。
「学校を休む」は決して協調的な行動とは言えません。
確かに、長期間学校を休むことで周囲から白い目で見られることは考えられるでしょう。
でも、まだレールから外れたわけではありません。
まだやり直せます。
勉強の遅れも後から頑張って取り返せばいいんです。
ギリギリでレールに乗りながら、このまま外れるかやり直すか思考を重ねましょう。
熱くなってレールから飛び落ちるのも、怯えてただただレールを走り続けるのも賢いとは言えません。
できるだけ深く考え、悩み、すぐに答えが出なくとも悩んで悩んで悩み抜くべきです。
自分のことが一番大切なのは自分なのですから。
思考の材料 高校をやめた後の選択肢
高校をやめるか否か考えるにあたって、ある程度の知識を身に着けておくと思考の幅が広がります。
高校をやめた後、どんな選択肢があるのか整理しましょう。
合わせて通信制高校・サポート校・定時制高校の違い 卒業と進学の現状もご覧ください。
定時制高校へ転入・編入
定時制高校で卒業までに必要な残りの単位を修得し、高校卒業資格の取得を目指すという選択肢です。
夜間の授業スタイルが一般的ですから、「学校へ行くためにどうしても朝が起きられない…」という方に向いています。
公立なら1年で10万円程度の学費を見ればよいですが、私立に行くとなれば1年で50万円~100万円の学費を見込まなければなりません。
「親御さんに学費を出してもらえない、それでもどうしても行きたい!」という方には、高等学校就学支援金を利用するという手があります。
通信制高校へ転入・編入
定時制高校と違う点は、主に登校日数です。
通信制高校は登校が全体的に少ないというだけで、他の点は定時制高校と似通っています。
高卒資格が取れるという意味でも同じですし、学費が公立と私立で大きく異なる点も同じです。
公立は週1日の登校で一定ですが、私立なら登校回数を最低年5日程度まで減らすことができます。
高校卒業資格認定試験を受ける
高卒認定試験を受けて大学進学を目指すという選択肢です。
ここで注意して頂きたいのは、高卒認定試験を合格しても全日制高校や通信制高校を卒業して得られるような「高卒」資格を取得できるわけではないということ。
得ることができるのは「大学入試を受験することができる資格」であり、「高卒資格」ではないのです。
高卒認定試験に合格しても大学へ行かなければ、最終学歴は中卒になります。
もう一度全日制高校へ転入
いじめなどの人間関係が原因で高校をやめたいと感じているのであれば、こういった選択肢もあります。
しかし、転入を受け付けている全日制高校は少なく、もし可能だとしてもそれは偏差値的に現状より低い学校へ移ることになるでしょう。
フリーター
学業から離れ、アルバイトだけで生活していくという選択肢もあるでしょう。
自分一人だけなら、充分アルバイトでも養っていくことはできるはずです。
親の支援を受けることができるのなら、さらにマイペースに経験を積んでいけます。
休みの日は、夢を追いかけるために使っても良し、旅行に行くなど趣味に費やしても良し、何かしらの勉強をするのも良しですね。
就職
このご時世で学歴が中卒のまま就職を目指すのはなかなか難しいですが、不可能ではありません。
どうしてもそこで働きたい!という強く明確な意志があれば、採用を検討してくれる企業もあるはずです。
その他
ニートになる等の選択肢があります。
目標や目指すべきものがどうしても見つからなかったり、前籍の学校の反動で疲れてしまっているのなら、こういう選択肢も当然ありです。
ゆっくりと休んで英気を癒すことは大切ですし、疲れて何も考えられないまま毎日が過ぎていくよりはずっと良いと思います。
疲れがとれれば自然と気持ちも前向きになり、やりたいことや目指すべき目標が見えてくるものです。
自分がやりたいこと 進みたい道を再認識
自分が進むべき道を考えるにあたり、思考の軸になるのは「目標」です。
目標を本気で目指すのか、はたまた諦めるのか、目指すのならどのような進路が成功に近づくのか…
これを明確に決断できなければ、学校をやめるかやめないかの決断もあやふやになってしまうことでしょう。
漫画家を目指すなら学歴にこだわる必要はないでしょうし、医者を目指すなら今この瞬間からにも大学受験の勉強を始めなければなりませんよね。
「目標」は「夢」ではありません。
「夢」は、叶わないことが前提であるかのようなニュアンスをもつ言葉です。
どんなに難しい課題でも、絶対に成し遂げるのだという決意さえ持てば、その瞬間に「夢」は「目標」に変わります。
そして、大抵の場合成功を収めるのは「目標」を目指していた者だけで、「夢」はいくら持っていても叶いません。
大切なのは決断です。
「目標」を目指すのか目指さないのか、重要なのはそれだけです。
あなた自身で確かに決断できたのなら、どちらを選んだとしてもそれは貴重な財産になります。
いくら考えてもわからない「結果」の心配をしても仕方ありません。
考えるべきはどんな人生を生きていきたいか、ただそれだけです。
目指すべきものが決まれば、自然と選ぶべき選択も浮かび上がります。
例えば、保育士を目指すのなら通信制高校を卒業して専門学校へ入る道が良いのではないでしょうか。
自営業のイラストレーターを目指すのなら、独学、専門学校どちらの道でも自分の頑張り次第です。
一流の営業マンを目指すのでしたら、学校はやめずに頑張ってそのまま大学受験をするべきでしょう。
企業家を目指すなら今すぐだって始められます。
最近女子高校生企業家の方が話題になっていますね。
かくいう私は、通信制高校で勉強しながらWeb製作の自営業者として自立できるよう、毎日励んでいます。
目標と決断が自分の中で明確になり、それを丁寧かつ素直に話せば親御さんもきっと納得してくれるはずです。
親は子供がフラフラしているのが一番心配なものですから、「こんな目標を目指して本気で頑張りたい!」と自分の意志と決意をアピールすれば認めてくれます。
もしそれでも駄目だと言われた時には、親の元を離れるか諦めるかでまた悩めば良いだけのことです。