不登校の中学生なら知っておくべき高校のタイプとは?
中学卒業後、全日制高校へ進学する以外の選択肢があることをご存じですか?
近年、定時制高校や通信制高校といった全日制高校以外の進路を選ぶ人が増えています。
しかし、それはあくまで「昔よりかは」という話であり、まだまだメジャーな選択と言うことはできないのが現状です。
周囲と合わせることを何よりも推奨する日本教育とは、あまり相性が良くないということもあるのでしょう。
それでも「周りの人が誰も行かないから」という理由だけで調べもしないのは、賢いと言えません。
「このまま普通の高校へ行っても卒業できるのか不安…」そんな悩みを抱いている方は、自分の選択肢を広げてみるべきです。
定時制高校と通信制高校の違い
定時制高校と通信制高校の一番の違いは、必要な登校日数です。
定時制高校はいうならば全日制の夜間バージョンであり、登校自体は週5日みっちりあります。
全日制高校なら1日6時間あるはずの授業を4時間に減らし、その代わり卒業するために4年を擁することが特徴です。
一方、通信制高校は一般的に週1日の登校システムで、自宅学習がメインになります。
自宅での学習が必須になるといっても、進学・卒業するための負担は定時制高校とは比べ物になりません。
卒業にかかる時間も3年で済みます。
卒業することや高卒資格を取ることだけを考えるなら、通信制高校を選択するべきです。
学費や学習システムに関する詳しい違いについては、通信制高校・サポート校・定時制高校の違い 卒業と進学の現状をご覧ください。
もちろん、定時制高校にも良い面はあります。
職業訓練になるような科目を単位として認定してもらえる点などは、かなり嬉しいですよね。
しかし、学習の負担が少ないということ以外にも、まだ懸念すべき点があるのです。
一つ目は、人間関係がどうしても付いて回るという点、そして二つ目は生徒にやや荒れた人が多い傾向にあるという点です。
つまるところ、問題は人間関係のトラブルにあります。
環境に上手く適応し、定時制高校で友達をたくさん作る人もいるでしょう。
しかし、そうはならない可能性もあります。
友達ができなかったりクラスメイトからいじめられたりしている状態で一人、学習と登校を続けられるでしょうか?
それは難しいでしょう。
卒業を第一に考えるなら、やはり定時制高校は避けるべきです。
通信制高校なら登校を年5日にまで減らすことができます。
そこまで減らせば、人間関係のトラブルで学校をやめることになる心配はありません。
次に心配になるのは日々の学習ですが、人間関係が苦手な方は一人でする勉強が何故か得意なものです。
人間関係のストレスから解放されれば、一日1時間程度の勉強は何でもありません。
日々の勉強に必要な時間と難易度については、通信制高校の勉強時間と勉強レベル 公立は難しいってほんと?をご覧ください。
私立通信制高校の魅力
公立の通信制高校は学費が安く、1年で3万円程度の負担にしかなりません。
登校は週1日で、レポート課題も毎週出ますが、全日制高校に比べれば半分以下の負担でしょう。
公立でも充分卒業を目指すことは可能です。
それに比べ、私立に通うなら1年で20万円以上の学費は見込んでおくべきです。
3万円と20万円、かなりの違いがありますが、それだけの価値が私立にはあります。
1番の魅力は、自分に合った登校システムを選択できるということです。
先ほど述べたように登校を1年で5日まで減らすことができますし、月1や週2など、選べるコースは多岐に亘ります。
また、全日制高校のように週3回以上通う「登校コース」まであるのです。
二つ目の魅力は、サポートが充実しているという点です。
これはレポートや試験などの勉強面のサポートという意味でもそうですが、進学・卒業するために必要なメンタル面のサポートという意味でも言えます。
担任の教師へいつでも学校のことについて相談できる環境が整備されており、相談相手の教師陣は真剣かつ優しく向き合ってくれるような先生ばかりです。
また、カウンセリングが充実していることも多く、メンタル面のサポートは万全です。
試験対策のプリントが用意されたり、登校の遅刻や欠席に関する融通が利いたりということもあります。
私立通信制高校のサポートの質が高いことは間違いありません。
以上のメリットから私立の通信制高校は卒業が大変容易になっており、事実卒業率は90%にも上ります。
公立も50%程度はありますから卒業が無理というわけではないですが、私立には遠く及びません。
大学進学を考えるなら
通信制高校や定時制高校に通いながら塾やサポート校を利用し、大学受験を目指すこともできます。
できることにはできますが、大学進学を考えるなら多少無理をしてでも全日制高校へ通った方が良い、と私は考えています。
塾やサポート校に通ってもどうしても自分一人では限界があり、どこかで甘えてしまうものです。
全日制高校で同級生と競い合い、高め合いながら勉強に勤しむ人達には敵いません。
定時制高校や通信制高校は、高校卒業資格を得ることだけを考えれば最適な教育機関です。
しかし、その先を見据えて大学受験のことを考えるのなら、やはり適しているのは全日制高校なのでしょう。
ここが選択の分かれ目です。